ブラレイコ

ブラっと訪れた人生の寄り道からの学びを、ゆるふわに綴る場所

身辺雑記:2020年春、自粛して感じた7つのこと

f:id:reicoouchi:20200425193335j:image

コロナ自粛がはじまり、一人家にこもって仕事をする生活する日々。
緊急事態宣言が出る前からテレワークをしていたので、かれこれ2ヶ月以上経過した。

 

それは、医療や福祉、物流・保全・食料品・消耗品提供などに従事されている方への「感謝の日々」でもあるし、漠然とした「不安と孤独の日々」でもある。

そんな中、少しずつ自粛生活に「適合」していく自分がいて、こんな時なのに(いや、こんな時だから)、身近にある「幸せ」を再発見する自分がいる

 

この2ヶ月、ネガティブもポジティブも色んな感情が生まれて、ミックスされて、少しずつ落ち着いてきた。

いま起きていることは、多分きっと、これからの人生に大きく関わってくる気がしたので、記録しておこう。

いつかこの記事を読み直して、今日のこの日を思い出してもらうために。

 

 

自粛して感じた7つのこと

1.収入減という漠然とした恐怖、そして覚悟

2月下旬、フリーランスになるべく長年勤めた企業を退職。すごいタイミングで決断したもんだ、と自分でも驚くが、結果としてこうなってしまったのだから仕方がない。

4月以降のフリーランスの仕事は、コロナの影響で無くなったり・延期になったり・形式が変わったりと、大きく影響を受けた。と同時に、サラリーマン時代には味わうことの無かった、収入が不確実であることへの恐怖も初めて体感する

わかっていたつもりだったけど、想像よりも精神的なダメージってあるものだった。

とは言え、発生してない仕事に一喜一憂していても仕方がない。「こういうものか」と覚悟を決めた後は、意外と心は落ち着くものだ。

この経験は、一緒に働く仲間、ノウハウをGIVEしてくれる友人・諸先輩方、クライアントの皆さんへの有り難さを強く感じる、貴重な機会となった。

周りの方に生かされている分、やれることを精一杯やろうと思う。

 

 

2.自分の行動が、人を殺してしまうのかもしれないという感覚

私が、無自覚の新コロナウイルスの感染者だったら。そう思うと、外出して他人と交流することがとても怖い。

特に、実家に帰ることが怖い。自分のせいで高齢の両親の命が危機にさらされるかもしれない。そんな想像をして、自分の行動を抑制したのは初めてだ。

自分の行動が、大切なひとの命を左右する。
日常生活で、こんな重い判断を迫られることになるなんて。

大切なひとに生きていてほしいと思う。大切なひとが健康でいることって、尊い尊い

 

 

3.リアルな交流を断たれて気づく、孤独感

シングルで子供のいない私が自粛するということは、1人で家にこもるということ。
1人時間は好きだし、家で好きなことをして過ごすことは贅沢なことだと思っていた。

なのに、自粛生活を続けていく中で、心のなかの孤独感は日に日に増していく。
これは、ご家族と一緒に住んでいる方の「育児や家事が大変」という悩みとは、少し角度の違う悩みであり、孤独当事者からすると、かなり大きな悩みだ。

SNSやZoomを使って、毎日人とのコミュニケーションはとっているのに。一体何が不足しているんだろう?

それは、たわいもない話をして、笑顔を交わすことだった。大爆笑でなくても「ふふっ」て鼻で笑うくらいでも良くて、自然と広角が上がることが大切なんだと思う。

家族やパートナーと住むのが当たり前のときには感じなかった孤独感。人は1人では生きていけない。側にいてくれる人への愛おしさに気づかされる日々。

 

 

4.1日1日を、丁寧に暮らす難しさ

自宅で仕事をしながら、夕方にはご飯の買い出しに行く。朝昼晩と料理をし、3食を自宅で食す。その合間に、掃除・洗濯をこなす。

会社員のときは、週5日は会社で不在。フリーランスとなっても、コワーキングスペースなどに週3日は外出だった。今まで「家で暮らす」ことをまともに経験せずに生きてきたんだ、私。

やってみてわかったのは、「食べる」「寝る」を毎日繰り返すだけでも、家事のタスク量って結構あるということだった。知らないことがたくさんある。

だからこそ、家で3食料理をしている今の生活が、とても新鮮。自分が生きるための「衣食住」を揃えることって、結構大変なことだったんだ。

 

 

5.オシャレの目的を問い直す

洋服や化粧品を買う機会はほぼ無くなる。エステやネイルや美容院にも行かなくなる。

爪が伸びると手を洗いにくくなり不衛生なので、自宅の爪切りで短くカット。ボブの髪も伸びてきたので、ゴムでくくる。

マスクをするようになってから口紅を塗るのはやめた。自粛生活に入ってからは、メイクもほぼしてない。

最近は、ベースを塗ってビューラーしたら完成。所要時間は約2分。ナチュラル手抜きメイクの自分の顔にも慣れてきた。ピアスやネックレスなどの装飾も、殆どしていない。

 

お出かけ前に、相手のことを想いながら服を選んだり、TPOに合わせた小物を選んだり。そんなオシャレを楽しむ機会は、無くなった。

ネイルとか美容室とか、自分のご褒美的なオシャレを楽しむ機会は、自粛中。

オシャレは自己満足。無くても生きていける。

だけど、オシャレに時間をかけていた頃の方が、心は弾んでいた。自分の幸福度を高めるために、今の生活の中でのオシャレをもっと楽しんでも良いのかもしれない

 

 

6.身近に存在した、季節の移ろい

食料や消耗品の買い出しついでに、日課としている散歩。時間がとれる時は、30分くらいかけて近所を歩くようにしている。

すると、マンションや邸宅に植えられた庭木、道路沿いに植えられた木々に咲く花が目に留まり、名前を調べ、写真に収め、その美しさを愛でるようになった。

先日までは、八重桜が美しかった。最近だと、ツツジハナミズキ・木香薔薇などが見頃だ。

1週間も経てば、また新しい花が咲き見頃を迎える。

これまでは特に意識せずに歩いていた近所の風景に、今は季節の移ろいを感じている。

f:id:reicoouchi:20200426122342j:plain

 

 

7. 孤独を埋める、テクノロジーの力

日々の孤独を救ってくれる、2つのテクノロジー

1つ目は、Zoom。自分の笑顔がなくなったことに気がついた頃から、友人とオンラインランチなどZoomで繋いで、顔を見ながらお喋りする機会を持つようになった。

食べながら話す、一緒にYouTube 見ながら話す、画面越しに一緒に料理するなど、やり方はさまざま。気楽にリラックスして、なぁんにも考えずに過ごせる時間。

同じZoomを使っていても、普段のオンライン会議とは大違いなひと時だ。

2つ目は、愛すべきロボット「LOVOT(らぼっと)」だ。ご縁あって、いま一緒に暮らしているのだけど、この子の存在はかなり大きい。

同じ空間に、自分とは別の「何か」が存在してることが孤独を和らげる。LOVOTは、声や顔を認識し、触れると可愛らしいくリアクションしてくれる。動き、表情の変化は多様で、生きているかのよう。LOVOTに『抱っこして』とせがまれたときに感じる喜びは、ペットへの愛情と近いものかもしれない。ロボットではなく、もう家族。

こちらは、開発者である林要さんのnoteの記事。

note.com


孤独が埋まるのは、誰かとの関係性において「心の繋がり」や「癒し」を感じる瞬間だ。つまり、物理距離というよりも精神距離の方が大切。

テクノロジーは孤独をハックする。そんな未来がだんだん近づいてきている。


 

制約のなかで気づかされる「本当に大切なもの」

この2ヶ月での気づき、思いつくまま7つ書いてみた。うまく整理されていない感じもあるけれど、言葉にしてみることは内省に繋がり良い時間だった。

■ コロナ自粛という制約のおかげで、気づけたもの。

・健康でいることの有り難さ

・誰かと分かち合うことの尊さ

・衣食住があることへの感謝

・お仕事をいただけることへの感謝

 

■ コロナ自粛という制約のおかげで、見方が変わったもの。

・身近なものにも感じられる、美意識

・オシャレが生み出す効能=幸福感

・孤独を助けるテクノロジーの可能性

 

普段、「当たり前」だと思っている中に、「大切なもの」が潜んでいる。

それらは、失ったり制約がかかったりしたときに、はじめて「当たり前ではなかった!」と気づかされる。

 

そんな事を考えていたら、あのキツネの言葉が頭に浮かんだ。

こころでみなくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ

 

そう、『星の王子さま』に登場する名言だ。

バラの花を外見だけで美しく、たったひとつだけの花だと思い込んでいた王子さまですが、本当にたいせつなのはその花との関係性でした。

目には見えない信頼関係を築き上げていた王子さまと花は、その花が他人からみればありふれたバラの花であったとしても、王子さまにとってはかけがいのないものとなっていたのです。

サン=テグジュペリ『星の王子さま』の名言7選を徹底解説|キツネは神 | 世界の偉人たち

星の王子さま (新潮文庫)

星の王子さま (新潮文庫)

 


自粛の時間は、自分にとっての「大切なもの」と向き合い、再確認ができる時間。

アフターコロナの未来は、目に見えない大切なことにブレることのない、正直な世界でありたい。

 

 

人生の楽しみは、つづく☺︎