ブラレイコ

ブラっと訪れた人生の寄り道からの学びを、ゆるふわに綴る場所

デジタル疲れを救ったのは「さくらももこ」の上質な世界だった

デジタル漬けの毎日が、しんどくなった。

この数日、集中力が著しく落ちたし、やる気も出ない。
自粛疲れか?とも考えたが、インドアのストレスとは違う気怠さを感じるのだ。

 

どうしたんだ、わたし……。

 

この一週間を振り返ってみる。すると、自分の生活がデジタルに支配されていたことに気がついた。

Zoom会議して、Kindleで本読んで、動画見て、インスタライブ楽しむ、という生活を続けていたのだが、どうやら限界がきたらしい。

  

Kindle使用率は、ここ最近かなり高まった。これまでもKindleは使ってたけど、同じくらいリアル本だって読んでた。最近は、蔦屋書店も自粛中だし、本屋に数時間籠もって本を漁る機会はメッキリ減ってしまった。

 

動画も見る機会は、確実に増えたな。小池都知事ライブ配信、NewsPicksやグロービスなど意識高い系コンテンツ、話題のYouTuberチェック、著名人が発信しているStayHome系ライブ動画などなど。つい見てしまうコンテンツがかなり増えた。

 

人生で、これほど集中してデジタルコンテンツをインプットしたことはない。

 

もし、体の中にデジタル情報を受け取る器があるとしたら、確実に許容量を超えて溢れてしまっている。これが花粉だったら、花粉症デビュー間違いなしだ。

つまり、これは「デジタル過多」によるアレルギー症状。

アラフォーのわたしの体は、確実に「アナログ」を求めている……!!!

デジタルネイティブの皆さんには、理解できない欲求なのかもしれないけどね。

 

いまのわたしが一番欲する ”アナログ” って何なんだ。デジタルを完全遮断し、しばらく天井を見つめながら考えてみた。

 

天から降ってきた答えは、とても具体的だった。

「上質な文章をリアル本で読みたい……!
   そう、”さくらももこ” のエッセイとか読みたい……
!」

 

さくらももこさんの文章って、とてもリズムが良くて、読みやすくて、世界に浸れて、ページをめくるのが楽しい気持ちになるのだ。

それ、それ、その感覚!

そのリアル本の心地よさを、いま感じたいーーーーーー!

 

ということで、用意しました。

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こちらのエッセイは、さくらももこさんに大きな影響を与えた、イギリスの絵本作家エロール・ル・カインへの憧れを綴ったもの。

 

絵本と出会った17歳の冬のこと、彼に弟子入りしたいと思いを募らせながらも漫画家デビューを果たすこと、そして彼の死を知り涙すること。さくらももこの原点に触れることができる前半。そして、後半は、彼の生きた街ロンドンでの珍道中。

 

さくらももこさんの文章は、本当にリズミカル。スラスラ〜と読めて、笑えて、でも、ふっと心にとまる。文章がうまいってこう言うことなんだと思う。


癒される。実に、癒される。

 

日常の感情を上質に表現してくれる ”言葉”。それを、自分のペースで、一つ一つ味わう ”ゆとり” 。

わたしは、この2つを求めていたんだ。


しかも、しかもだ。この本の素晴らしいのは言葉だけではない。

表紙のキラキラしたデザイン画もそうだが、本の中にはカラーのさくらももこさん書き下ろしのイラストがたくさん詰まっている。

超絶デザインが可愛くって、どれも最高だ。いくつかピックアップしてご紹介。

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色合い、背景の高度なデザイン性、そしてユル感。これぞ、さくらももこさんの世界観だ。

 

つづいて、憧れの絵本作家 ル・カインのデザイン画もご紹介。さくらももこさんが影響を受けた作家の原画もたくさん掲載されており、贅沢だ。

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ページをめくり現れる美しい絵の数々。しばらく手を止めて、絵の世界に没頭する。

はぁーーー、癒される。

ちょうどいい。デジタル疲れのわたしに、ちょうどいい。

 

 

あっという間に読み終えたいま、デジタルアレルギー症状は治っていた。
ふぅー、本当にスッキリした気分。

コンテンツが溢れる日常において、自分のインプットペースを保つって大事なんだなあと改めて感じる。

好きな文章、好きな表現を、心で味わうには、アナログ情報の方が向いているのかもしれないね。特に、デジタルネイティブではない世代は、デジタルとアナログのバランスを取ることも大切なのよね、きっと。

 

ああ、気分がいい。

さくらももこさんの素晴らしき世界は、究極の癒しだったよ!

 

憧れのまほうつかい (新潮文庫)

憧れのまほうつかい (新潮文庫)

 

 

人生の楽しみは、つづく。