ブラレイコ

ブラっと訪れた人生の寄り道からの学びを、ゆるふわに綴る場所

卒業から1年半、着付け教室との正しい付き合い方がようやく分かった

着物への憧れを現実のものにしようと、この1年半の間にいろいろな行動を起こしてきた。ようやく、着物が少し身近に感じられるようになってきた今日この頃。

自分がハードルと感じたところとか、経験から学んだこととか、つらつらと綴っておこうと思う。

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憧れを現実にするには、まずは着物に袖を通すこと

着物が憧れで終わることの理由として考えられるのは、大きく2つ。

・着物一式を持っていない

・1人で着付けができない

これらの状態だと、着物で自由にお出かけをするのは夢のまた夢、と言う感じだ。それに、こんな風に感じている時点で、着物との距離感が遠いのは確実だ。距離が遠いままだと、何を買っても・習っても、結局自分の日常に入って行くことは難しい。

私としては、この2つの問題を直接解決をする前に、着物との距離を縮めることをオススメしたい。

やることは簡単。まずは、手ぶらでOKの着付け教室に行き、どんな着物でもいいので袖を通しててみて、その姿を鏡ごして見てみること。

きっと「わぁ!」とテンションが上がる。この感覚が重要なのだ。何なら、その姿を写真にとってスマホに保存しておこう。

「着物姿の私、いい女!」と言う気持ちを糧に、着付けの勉強を始めるのが良い

ちなみに、着付け教室に行っても、一瞬で着付けができるようにはならない。週に1回の教室だとしたら、先週できたことが今週できない、なんてこともザラにある。

繰り返し練習することが必要なのだ。

私自身も、低価格な着付け教室にまずは通って、週に1回は着物に触れると言う機会を強制的に作った。自分の日常のなかに、着物に袖を通す機会が定着して行くことがまず大切。1人で着付けができるようになるのは、その次の話だ。

 

 

着付け教室には、正しいお付き合いの仕方がある

私が通った着付け教室は、かなりお手頃価格だった。初心者向けの教室が、1回500円で全10回なので、トータル5000円(!)と言う嬉しいお値段。また、スタッフの皆さんもとても親切なので、特に不満はなかった。

とは言え、着物に関する知識ゼロの私には、「なんじゃこりゃ」と思う点もいくつかあったので紹介しておく。

 

着付けの実態は、見て・やって・体に染み込ませていく超アナログ学習方式

着付けを学ぶ流れとしては、
下着の着方、長襦袢の着方、そして着物、最後に帯、と言う着付けのプロセスに沿ったアプローチが一般的だ。

が、一つ一つの小道具が多いのと、プロセスが複雑であるが故に、超素人の私は非常にストレスを感じた。

一番感じたことは、「全体像から教えて欲しい」と言う点。

着物の超初心者というのは、綺麗に着付けされた完成形がよく分かっていない。どの部分に何が見えるのか、何が美しい着こなしなのか、まずはそこを理解してから、詳細プロセスの話をしたい。

しかし、着付け教室だと、そこまでの素人は少ないのか……、全体像の説明は割愛されることが多い。

衣紋を抜くことも、おはしょりを作ることも、裾つぼまりにすることも、襟を作る事も、お太鼓を仮ひもで結ぶことも……、完成形として何がどうなっていたら美しいのかを理解していないと、その重要さは理解しづらい。

ほとんどの着付け教室は、先生と生徒が面と向かって着付けをするスタイルなので、いちいち完成形の写真などを見せて解説をしてくれることはない。でも、全体像や合理的な理由(なぜこんな風にするのか)がわかった方が、私は理解しやすいな〜と感じている。


これから、着付け教室に通う超素人の方には、以下をアドバイスしたい。


① 抑えるべきポイントがまとまった完成形イメージを持つこと

ここは、着付け教室に期待をせず、自力で調べておくことをオススメする。
参考になるサイトをいくつかご紹介。
これらを見て、着付けのどのプロセスが抑えるべきポイントに通じてくるのか、という繋がりを理解したい

xn--u9j1jra8p456nunssozgdi7y3bwfi.com

www.takeyamizuho.com

②  プロセス毎に動画で復習すること

着付け教室では、先生の着付けを動画で撮っておくことはほぼNG。なので、一週間たつと、せっかく習ったやり方を忘れる、なんて事も多い。

その場合は、先生のおっしゃったポイントをメモするなどに加えて、着付け動画などで自己復習することをオススメしたい。

着付け動画はたくさんあるが、ほとんどがただの動画で、ポイントの解説や字幕などがついていなく、クオリティは低い。

そんな中、コンテンツとしてのクオリティが圧倒的に高いのは、こちら「すなおの着物チャンネル」だ。ポイントは全て字幕となって強調されているし、合理的な説明もわかりやすい。

さらに、躓きやすいプロセスは別コンテンツとなっているのも有難い。例えば「おはしょりについてはこちらの動画をご覧ください!」など、超初心者のニーズにも丁寧に対応していると点が素晴らしい。

着付け教室のやり方とは多少違うかもしれないが、クオリティ高い動画は、1人で着付けをするときにとっても役に立つので知っておくと便利。

www.youtube.com

 

着付け教室のバックには、呉服屋さんの存在 

なぜ、世の中に安価の着付け教室がたくさんあるかと言うと、それは着物ファンを増やしたい呉服屋さんの存在があるからだ。

私が通っていた教室も、まさにその類のものだった。

授業のうち1回は呉服屋さんに行って、着物職人さんからいろんなお話を聞く講座があった。それはとても貴重で面白い機会であった。

授業とは別に、呉服屋さんのセールの案内が届き「○時にきてね」と先生から指示を受けることがあった。その時間にお店へ行くと、たくさん試着を促され、高価な素敵な着物に触れることができる。

その場はとても景気の良い雰囲気なので、美しい着物を纏っている自分の姿についやられ、数十万、あるいは数百万のローンの手続きをしてしまう、なんて事もチラホラ。

押し売りではなく、あくまで雰囲気を盛り上げるだけなので、呉服屋さんが悪いとも思わない。本人の意思の問題だ。

ただ、このメカニズムは非常に危険なので、身の丈にあった冷静な判断ができるように十分に注意をして欲しい。


私からのアドバイスは、以下2点。


①  本当に必要だと思うのならば、仕立ててもいいと思う

良い品だし、自分が納得いくものがあれば買ったらいいと思う。ただし、妥協して買うとか、身の丈に合わないローンを組むとかをするくらいなら、やめておこう。
着物は、リサイクル着物屋さんなどで可愛いくて・サイズも合って・状態かいいものが、2万もしないで買えたりする。

呉服屋さんたちは、リサイクル着物の怖さ・失敗談などを言ってくるが、それを丸っと信じる必要はない。


②  長襦袢、襟、帯締めなどの小物は別で買えば良い

小物類は、その呉服屋さんで買う理由はさほどないかなって思う。世の中には機能性が高い小物もたくさんある。その場で買わなくても、困ることは絶対にないので、「高いな」と感じるものは素直に買うのをやめて良し。

 

 

着物ライフを支えてくれる低価格な着物や小物たち

着付け教室を卒業した私は、その呉服屋さんに教えられた高価な着物しか知らない「井の中の蛙」状態であった。

そんな私の背中を押してくれたのが、とある着物愛好家の方の言葉だった。

「着物は、いつでも着て頂いて大丈夫です。ただ、カクテルドレスを日常に着ないように、礼装の着物を生活の中では着られませんね。浴衣の延長線上くらいの感覚で木綿やウールなど、日常で着やすいものもありますよ」


そうか、日常で楽しめる着物は、必ずしも高価な着物でなくてもいいのかもしれない。これまで、どこか苦手意識を持っていたリサイクル着物、アンティーク着物などにも、少し興味が湧いたのは、この時だった。

 

最近では、こちらのお店で、リサイクル着物や帯を購入させていただくことが多い。こちらのスタッフの方は、皆さんセンスが良いのと、親切な対応に安心感がある。

www.kimonoyatento.com

滋賀にあるお店なので、なかなか伺えないなぁと思っていたら、月に1回くらいのペースで関東に出展されることもあるみたい。

初めてお店に伺った時は、着物と帯合わせて15000円のセットを購入。先日お友達とのランチに来て行ったところ、大変褒められた。

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どう見ても、15000円には見えない仕上がり。

カクテルドレスではない分、気持ちも楽。「汚したらどうしよう」の不安感は、他の着物に比べると格段に少ない。

カジュアルに着物を楽しむっていいな、と改めて感じた。

 

着付け教室卒業から1年が経ち、あの狭い世界で学んでいた自分を少し客観的に見れるようになった。

そして、私の着物ライフは、広がりと自由を手に入れた。ようやく、着物は、私の日常となったのだ。

 

 

楽しみは、つづく☺︎