ブラレイコ

ブラっと訪れた人生の寄り道からの学びを、ゆるふわに綴る場所

商店街ホテル「講 大津百町」が、星3つの理由

滋賀県大津。そこは、旧東海道 五十三番目の宿場町。最後の宿場町にして、京への入り口でもある。京までの陸路と、琵琶湖の水路の両方を持った大津は、東海道の中で最も賑わった宿場町だったそう。

そんな大津の街が、いま新たなチャレンジをして注目を浴びている。

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大津百町プロジェクトが生んだ、商店街ホテル

そのプロジェクトは、地元の工務店の課題意識から始まった。

大津はかつて「大津百町」と呼ばれ、東海道五十三次最大の宿場町として賑わった街です。しかし現在ではその面影もなく、駅に近いこのアーケード商店街も空き家が目立つように。築100年を超える町家の維持もできず、多くが取り壊しの危機にありました。その現状を何とかしようと動いたのが、滋賀県竜王町で谷口工務店を営む谷口弘和氏。雑誌「自遊人」を発行し新潟県南魚沼市で体感型宿泊施設「里山十帖」を運営する『株式会社自遊人』に相談を持ちかけ、メディア型ホテルにするというプロジェクトが生まれました。

ONESTORY

このプロジェクトによって、大津の商店街にある町屋が7軒リノベーションされ、「商店街ホテル 講 大津百町」が誕生する。

hotel-koo.com

▼商店街の一角にある、町屋の外観

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▼リノベーションされた内装に、お洒落なインテリア

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通常の大型ホテルには、レストラン・カフェ・お土産屋さんなど、観光に必要なお店が全て揃っているのが一般的だ。

一方、「商店街ホテル 講 大津百町」には、何のお店も組み込まれていない。しかし、宿泊施設を一歩出れば、そこは地元の方々が生活をしている商店街のど真ん中なのである。ホテルの中にお店があるのではなく、商店街のお店の一角にホテルがあるという発想だ。

「商店街ホテル 講 大津百町」に宿泊した客は、当たり前のように商店街を歩く。

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そして、気になるお店にふらっと入ると、お店の方に温かく迎えられる。

 

「いらっしゃい。観光の方?どちらにお泊りなの?」

「商店街にある、講って言うホテルなんですけど……」

「まあ、講さんにお泊まりなのね。どちらの町屋ですか?」

「菱町商店街の入り口寄りの、丸屋町の端っこの町屋です」

「あー!あそこね。向かいの和菓子屋さんは行かれました?あそこはね、・・・」

 

といった具合に、入ったお店の方と自然に交流ができ、次々と商店街の情報を教えてもらえる。

その距離感は、程よく近くて、なんだか商店街に新たに引っ越してきたような感覚。これって、普通の観光地の商店街では絶対に味わえないと思う。

 

 

江戸時代 No.1宿場町のコンテンツ力はすごい

商店街ホテルが成り立つためには、商店街に魅力的な商品があることが重要だ。宿泊施設が素晴らしくても、商店街の人が良くても、寂れ果てた商店街には観光客は集まらない。

その点、この大津の商店街には、実に個性豊かなお店が揃っており、そのコンテンツ力はかなり高い。

老舗のお茶屋さんのこだわりが日本を代表するレベルだったり、

和菓子屋さんのお餅が、弁慶の伝説に由来してたり、

果実店のフルーツサンドが激安・激うまだったり、

地元で愛される洋食屋さんのオムライスが最高だったり、

ふらっと入るお店がどれも素晴らしかった。

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京都などに比べると、個々のお店の発信力はそこまで強くなく。商店街での口コミやホテルがまとめてくれている冊子などを頼りに巡らなくてはならない、というのが現状。

掘れば掘るほど、魅力あるお店(コンテンツ)が出てくるので、一度訪ればファンになる確率は高いと思われる。

これからの発展が楽しみだ。

 

 

大津は「すきやばし次郎」となった

かの有名なレストランガイドブック、ミシュランの星には、次のような意味があるらしい。

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ミシュランで言う「料理」を「街」に置き換えてみる。

 

⭐︎⭐︎⭐︎   そのために旅行する価値のある卓越した街

⭐︎⭐︎      遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい街

⭐︎         近くに訪れたら行く価値のある優れた街

 

ある地方の街を観光で元気にする場合、

⭐︎1つだけだとリピートするのはなかなか難しそう。

⭐︎2つなら、また来てもらえるかもしれない。

でも、もっと安定的に、継続的に、街を元気にするには、⭐︎3つの状態でないと難しいのかもしれない。

 

それはつまり、街が「すきやばし 次郎」級になるということだ。なんだか、めちゃくちゃ難しそう。

 

しかし、どうだろう?

今回の大津の旅を振り返ってみると、私は「もっと大津の魅力に触れたかった」「次は商店街のあそこに行ってみたい」「よし、もう一回大津に来よう!」と感じているではないか。

つまり、大津に行くことを目的に旅行する価値を感じてる(星3つ)ということだ。

気がつけば、大津は私の中で「すきやばし次郎」になっていたのだ……!

(注:実際のすきやばし次郎には行ったことはないけれど)

 

この街が、多くの人にとっての「すきやばし次郎」になったら、きっと江戸時代の元気を取り戻す。

大津を訪れるために、全国から人が集まる。このカタチが、地方創生の理想的なあり方なのだと思う。

 

大津百町プロジェクトにより変化を遂げたこの街が、たくさんの星を獲得できますように。

大好きな街の発展が、今から楽しみだ。

 

滋賀県大津、江戸時代No.1宿場町。そのポテンシャルはまだまだ計り知れない。

 

▼大津の商店街のオススメスポットは、こちらのInstagramを参照

https://www.instagram.com/p/B3ythTyAcgT/

https://www.instagram.com/p/B305I40gTst/

https://www.instagram.com/p/B35iXxAA_oQ/

 

楽しみは、つづく☺︎