日本文化を涵(ひた)すこと海の如し、養うこと春の如し
いよいよ大晦日。2018年も今日でもう終わり。
「平成最後の大晦日」なんて言われているが、皆さんにとってどのような一年だったのだろう?
わたしは、2017年10月末にブログをスタートして早1年が過ぎた。日本文化を知りたい欲求のまま、色々な場所で様々な文化に触れることができた。と同時に、自分自身の無知さ・未熟さにも気づかされる1年でもあった。
本日は1年の出来事を振り返り、2018年に出逢った素晴らしい文化の総復習をしてみる。
着物、伝統芸能、文化講座、旅、勤労奉仕…と粒感まちまちではあるが、どれも今年のわたしにとって大切な学び。
さて、今年のダイジェストを書き留めてみよう。
憧れの着物ライフへの第一歩
思い返せば、今年の1月末。着物ライフへの想いをブログに綴っていました。
あれから1年。着付け教室に通い、何とか一人で着付けもすることができるようになった。お気に入りの着物もお仕立てをして、少ないながらも着物を選ぶ楽しみを覚えた。
これについては、年始の想いを実現できて本当に嬉しい♡
▲Instagramにも着物の写真が増えてきた。
まだまだ上手に着付けもできないし、畳むのも下手だし、着付け教室で習った記憶も吹き飛んだりと大変なことも多いけれど、一歩ずつ憧れの着物ライフに近づけている気がする。
来年は、年明けから着物でお出かけの予定。和装を楽しめるようになったのは、自分にとっての大きな変化の1つだ。
文楽に歌舞伎に…伝統芸能との贅沢な日々
はじめての文楽に行ったのは、今年の3月のこと。ご縁があって、豊竹呂大夫師匠と出逢うことができ、数ヶ月に一回のペースで文楽を楽しむようになった。
初めての文楽、独特の世界観に感動し、ブログに綴ったのが懐かしい。
文楽が楽しい!と思えたのは、最初に声をかけてくれた友人と、気さくに文楽の魅力を教えてくれる師匠のおかげだ。
▲仙台公演の後、師匠の計らいで人形を触らせていただいた時の、大興奮の1枚。
ご縁と言えば、今年たくさんの歌舞伎を観に行けたのも、素晴らしいご縁のおかげさま。
八月の納涼歌舞伎からはじまり、十月の中村勘三郎さん追善公演(仁左衛門さんの助六!)、十二月の増補双級巴(吉右衛門さんの石川五右衛門!)と壇之浦兜軍記(玉三郎さんの阿古屋!)と…特に後半は素敵な公演を連れて行ってもらい、最上級を体感することができた。
▲勘三郎さんの追善公演は、歌舞伎で涙を流した初めての演目。
届け!勘三郎さんへ「中村勘三郎七回忌追善」での歌舞伎体験 - ブラレイコ
そして、年内最後は、なんと桟敷席での鑑賞。素人ながら、その素晴らしい空間を垣間見ることができて、本当に夢のようだったぁ!
▲玉三郎さんの阿古屋の美しさに、うっとりした夜の一枚。
週末に、伝統芸能を楽しむという贅沢。日本の昔から続く伝統と、それを受け継ぎ新たなチャレンジをし続けている役者たち。
生で観るから感じる世界観。空間にいる全ての方々の伝統芸能への愛♡ 堪らない〜。
日本最高峰の講師から、日本文化の真髄を学ぶ
今年も、最高峰の文化講座GENUINE JAPANへ通い、月に1回の講座を受けてきた。
小笠原家の礼法をはじめ、能楽金春流、柳生新陰流(やぎゅうしんかげりゅう)、宮家・公家、古事記と日本書紀など、幅広い分野の講義を受講。
普段であれば絶対に出逢えない、家元の方々から直接お話を聴けるという、とてつもなく贅沢な時間であった。
講義は引き続き3月まで残っており、1月は着物、2月は生け花、3月は禅(zen)と続く。
今後の学びも楽しみ〜。
旅をして、土地と歴史に触れる
敬愛するブラタモリの影響を受け、旅先の土地と歴史を知ることを大切にしてきた。
今年は、伊勢志摩、京都、新潟、石垣、宮崎、小田原と。歴史ある素敵な場所へ旅をすることができた。
青島神社〜鵜戸神宮へ! ブラタモリ宮崎ロケ地を巡る① - ブラレイコ
青島神社〜鵜戸神宮へ!ブラタモリ宮崎ロケ地を巡る② - ブラレイコ
毎回ブログを書いてはいないけれど、その土地と歴史を知ることは、旅に深みを与えてくれる。
▲宮崎の鵜戸神宮にて。ブラタモリロケ地を巡るのも旅の楽しみの1つ。
これまでの価値観を疑うことになった、勤労奉仕という経験
忘れもしない今年6月。わたしは平日4日間のお休みを取り、皇居の清掃ボランティアに行ってきた。それは、皇居勤労奉仕というもの。
詳しい内容はネット記載を控えるが、この経験は毎日から少し外れて、日本人としてのあり方について考えさせられた。
勤労奉仕を終えたときのわたしのメモがこちら。
広大な皇居の敷地には、たくさんの木々・鳥・虫が生息しているが、それらの生命活動を維持するには、毎日毎日の丁寧な作業が求められる。
皇居の広大な自然に包まれながら、小さな存在である自分を感じ、大変心地よく作業をすることができた。
一人ではなく、数十名で一気にやる。生産性よりも、目の前のことを丁寧にやることを優先する。
自然が相手故に、人間が及ばないことがたくさんある。慣れない作業故に、上手くできないことがたくさんある。
今回のボランティアを通じて、手間暇をかけることの喜びを思い出した。
清掃作業の合間に、皇居内の建物や歴史、祭祀などのご紹介を受ける機会があった。また、皇室の方々とご挨拶させていただくという貴重な機会もあった。
それらを通じて、古来の日本は自然とどう関わってきたのか、古来より引き継がれている伝統や国民に対する思いなどを知ることができた。
日本人として生まれ育っていても、日本について知っていることはほんの一部かもしれない。今回は、清掃活動を通じて、古来からの日本の良さ・日本人のあり方などを知ることができた。ボランティアと言いつつ、受け取ることのほうが大きかった経験となった。
ああ、改めて読むと、当時の心境を思い出す。これは、定期的に振り返りたい。忘れたくないことだから。
平成最後ということで、天皇陛下の言動により一層の注目が集まっている。
天皇陛下と美智子さまは、いつだって私たち国民をことを考えてくださっている。お二人の姿を見ただけで、それが全身の細胞レベルで理解ができる。わたしたち日本人には、天皇陛下と美智子さまが圧倒的な愛を常に注いでくださってる。それに気づいたとき、不思議と心地よく、存在まるごと赦されているような、圧倒的な安堵感を感じられた。
養之如春(これを養うこと、春の如し)
「日本の文化を、日本の魅力をもっと知りたい!」という欲求のままに、様々なことを体験した2018年。
素晴らしい日本の文化はたくさんあるのに、知らないことが殆どで。自分自身の無知さ未熟さを知る1年でもあった。
「どうしてこんなにも日本文化のことを知らないのだろう」「これで日本人として何を語り、受け継げるのだろうか」「何度やっても、着付けが下手すぎる……涙」とか、いろいろ思うことがあるけれど。。。
そんなとき、この言葉が頭をよぎる。
涵之如海 養之如春
之(これ)を涵(ひた)すこと海の如し 之を養うこと春の如し
これは、中国後漢の歴史家、班固(はんこ)氏が前漢に関する史書「漢書(かんじょ)」の中で記したものらしい。美術史家である會津八一(あいづ やいち)氏や、作家の井上靖氏の名言としても知られているもの。
「学問や見識は、海のように広い文化的教養にたっぷり涵らせ、春の陽ざしが万物を育てるように養っていきましょう。万事、焦らず、じっくりやりましょう」というような意味なのだそう。
参考:図書室から: 春
なんか良い感じ。このゆったりどっしりの考え方が好き。
新しいこと・知らないを学ぶのに、卑屈になっていたって仕方ない。学び続けていれば、自然と身についてゆくものなのだから、マイペースにやっていけばいいのさっ♫と、軽やかな気分になれる言葉。
まだまだ無知で未熟なわたしでも、振り返ればこの1年で学んできたものがたくさんあるし。(ブログやってると振り返るのが楽でいい◎)
やり続けたら、憧れの人たちに、少しずつ近づいていけるかな。
来年もこの調子でがんばろ〜っと。
2019年も、楽しみはつづく☺︎♡