ブラレイコ

ブラっと訪れた人生の寄り道からの学びを、ゆるふわに綴る場所

とらやに首ったけ♡

2018年10月1日(月、寅の日)、赤坂に現れた「パワースポット」をご存知だろうか。

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www.toraya-group.co.jp

3年ぶりに赤坂の地に戻って来た「虎屋」さん。この空間が、とにかく素晴らしい。私はここに来るたびに、幸せな気持ちになり、前向きな気持ちになり、「よし、頑張ろう」と思ってお店を後にする。これほどパワーを与えてくれる空間は、他にあるだろうか。

今回は、大好きな「とらや赤坂店」への愛を書き留めたい。
まだ、とらや赤坂店に行ったことのない、あなたに向けて。

 

3年前、黒川社長の「お知らせ」からはじまったストーリー

2015年、虎屋ホームページに掲載された社長メッセージがこちら。赤坂店を一時休業し、3年後に新しいビルを建てるという、お客さまに向けたメッセージ。

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特に、この部分が好き。

この店でお客様をお迎えした51年のあいだ、多くの素晴らしい出逢いに恵まれました。
三日にあげずご来店くださり、きまってお汁粉を召し上がる男性のお客様。
毎朝お母さまとご一緒に小形羊羹を1つお買い求めくださっていた、当時幼稚園生でいらしたお客様。ある時おひとりでお見えになったので、心配になった店員が外へ出てみると、お母さまがこっそり隠れて見守っていらっしゃったということもありました。
車椅子でご来店くださっていた、100歳になられる女性のお客様。入院生活に入られてからはご家族が生菓子や干菓子をお買い求めくださいました。お食事ができなくなられてからも、弊社の干菓子をくずしながらお召し上がりになったと伺っています。
このようにお客様とともに過ごさせて頂いた時間をここに書き尽くすことは到底できませんが、おひとりおひとりのお姿は、強く私たちの心に焼き付いています。 

 読みながら風景が見えてくる。これぞ、虎屋さんの日常の一コマ。お客さまとの向き合い方が現れており、虎屋さんの魅力を感じさせるこの一説がとても好き。

 

 

虎屋さんの歴史

虎屋さんの歴史は、ものすごく古い。

とらやは室町時代後期の京都で創業。五世紀にわたり和菓子屋を営んできました。
後陽成天皇の御在位中(1586〜1611)より、御所の御用を勤めています。
明治2年(1869)東京遷都にともない、天皇にお供して、京都の店はそのままに東京にも進出、現在に至ります。

経営理念は、とてもシンプルなワンフレーズ。

「おいしい和菓子を喜んで召し上がって頂く」

創業500年を超える虎屋さんだが、経営理念が作られたのは1985年という。(意外に最近!)しかし、創業当時からずっと、この理念を願いながら、和菓子を作って来ていたのは間違いない。

現在の社長は、十七代目 黒川光博さん。老舗企業の社長とは、一体何を考えているのだろう?と思い、こちらの本を読んでみた。

老舗の流儀 虎屋とエルメス

老舗の流儀 虎屋とエルメス

 

「味は変えないのですか?」とよく聞かれるのですが、「味は変わるものだ」と私は思っています。今、食べてくださる方に「おいしい」と思っていただかなければいけない。ということは、極論してしまえば、今日と明日で違うかもしれないし、少なくとも数十年前とは違ってくるはず。(中略)最初に作った時に、相当吟味していますから、それを超えるおいしさが一朝一夕には作れないのです。ただただ「おいしい」というレベルを維持するためにどうするのかを、突き詰めてきた。その結果、あまり大きく変えずに今にいたっているというのが、「味は変えないのですか」という問いへの答えです。

 黒川社長は、変化を恐れない。大切なのは、いまこの時、として、過去にこだわらずに「いま求めらているより良いもの」を目指して、絶えず新しいものを生み出す。

黒川社長は次のように語っている。

「おいしいものを誠実におつくりし、お客様に喜んで召し上がって頂きたいという、変わらぬ思い。虎屋にはそれ以外に『変えてはいけないもの』などないのです。」

精神はそのままに、発想や行動を変えていく。だから、虎屋さんは常に色褪せない。

 

 

わたしを正してくれる、とらや赤坂店

ここからは、パワースポット「とらや赤坂店」の全貌をご紹介。

赤坂店には、歴史を知ることができる「ギャラリー」、お菓子が購入できるショップと 、喫茶ができる「虎屋菓寮」がある。


まずは、1階受付で「虎屋菓寮」の混雑状況を確認し、受付を済ませましょう。


そして、地下のギャラリーへGo!

現在「とらやの羊羹デザイン展」と題して、大正7年の菓子見本帳に描かれた、およそ450点に及ぶ羊羹のデザインが展示されている。

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季節や自然から発想を得た、羊羹の美しいデザインの数々を楽しめる。そのデザイン一つ一つには名前がついており、その「やまと言葉」がまた美しい。

このギャラリーで見た羊羹を、購入したり虎屋菓寮で食べることができる。

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さらには、こんなフォトスポットも。気分は、虎屋さんの羊羹職人。

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続いては、2階のショップへ。

赤坂店限定と言えば、こちら。トラ柄の特製羊羹「千里の風」♡
贈り物にもピッタリな一品。

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そして最後は、「虎屋菓寮」。赤坂店の正面は、赤坂御所。わたしのお気に入りは、テラス席。御所の緑と気を感じながら、お料理や和菓子を頂く。それは、とても贅沢で、マインドフルなひと時。

ランチタイムには、こんな素敵なお食事も食べることができる。

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もちろん、お抹茶と和菓子で一息するにも最高の空間。

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スタッフの接客、器、お料理、和菓子…… どれを取っても丁寧。そして、心がこもっている。

ここに来ると、慌しい日常で雑になってしまった言動や焦った気持ちを、正してもらえる。本質とは何か、大切なものは何か、を立ち止まって考えさせられる。

それはきっと、500年の歴史を誇る虎屋さんの変わらない心と、流れる時空の長さと、働く人たちの誇りのおかげ。だからここは、最高のパワースポットなのだ。

 

 

とらや赤坂店の建物に隠された想い

赤坂店のビルは、当初は10階建の高層ビルを建てる予定だった。しかし、計画半ば、地上4階建の木造建築へと計画変更をして、いまに至る。

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建築家の内藤 廣さんは、次のように語る。

検討を重ね、あるべき内容を吟味し、あるべき姿で建てるのがよい、ということになりました。芭蕉は「不易(ふえき)を知らざれば基(もとゐ)立ちがたく 流行りを知らざれば風(ふう)新たならず」としました。何が大切で変えてはいけないものなのか、同時に、何を変えれば今の感性につながるのか。問われたのはこのことでした。

そして、できた建物のコンセプトは「簡素にして高雅」。新しいものと昔ながらのものが、お互いが引き立て合いながら、新たな世紀を歩んでゆくための建物となった。

 

 

虎屋に、恋してる

兎にも角にも、赤坂店にお邪魔してから、すっかり虎屋さんが大好きになってしまった。

これからも、週末のデートに、仕事でちょっと凹んでるときに、家族への手土産を買いに、さまざまなシーンに、虎屋さんへ訪問するのだと思う。

わたし、完全に虎屋さんのファンになったのだ。赤坂店に1度足を運んだだけで、ここまで恋してしまうなんて、自分でもビックリ。

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でも、この空間って、特別のようで特別ではない。非日常ではなくて、あくまでも日常。ここに来れば、いつだって、変わらずに、パワーをもらうことができる。虎屋さんは、わたし達のすぐ近くにいる存在なのだから。

 

虎屋さん、出逢えてしあわせです。これからも末永くよろしくお願いします♡

 

楽しみはつづく☺︎