ブラレイコ

ブラっと訪れた人生の寄り道からの学びを、ゆるふわに綴る場所

鹿を思い続けたら、予想もしない結末になった

今回は、この数ヶ月思い続けてきた「鹿」について纏める。

 

神様の使い、神鹿(しんろく)

先日行った鹿島神宮では、30頭ほどの鹿たちが神様の使いとして鹿園に飼われている。この鹿島の鹿の歴史はとても古い。あの奈良 春日大社の鹿たちも、元を辿れば鹿島の鹿だと言う。

春日大社が創建されたとき、鹿島神宮の神様である武甕槌命(たけみかつちのおおかみ)が勧請(かんじょう)され、白い鹿に乗って1年がかりで奈良に向かったと言われている。奈良の鹿が保護されているのは、もともと神様を乗せて来た神の使いだったからだ。

興味深いのは、春日大社へ向かう鹿の通った道のりに「鹿」の文字のつく地名がいまも残っているということ。

  鹿島神社

「村の口碑によると、昔常陸の国鹿島郡の鹿島大神が、大和国奈良の春日へお移りになる途中、大神のお供をしていた神鹿が急病でたおれたので、村人たちが丁寧に葬って祀ったのが鹿見塚(下掲)で、村人たちは、これを奇縁として武甕槌命の分神と天照大御神ほか三神を勧請して一社を建立し、鹿島神社と名づけたともいわれている(以上、江戸川区教育委員会)。

  鹿見塚神社

鹿骨発祥の地、鹿見塚」碑がある。鹿島大伸(武甕槌神)が常陸(茨城)から大和(奈良)に向かう途中、大神の杖となっていた神鹿が急病でたおれたので、塚を築きねんごろに葬った所だと伝えられている。「鹿骨(ししぼね)」という地名発祥の地と伝わる。(江戸川区教育委員会

その他にも、滋賀県草津 立木神社など、鹿が立ち寄ったとされる場所がいまも残っているらしい。

 

古くから伝わる鹿デザイン 

こちらは正倉院宝物 麟鹿草木夾纈屏風(りんろくくさききょうけちのびょうぶ)。

全姿 D0000001956

夾纈(きょうけち)とは、奈良時代に行われた染色法のこと。

そもそも正倉院は、東大寺の大倉として奈良時代に建てられたもの。納められている宝物は、仏具、楽器、食器、服飾、染織品など多種多様。正倉院シルクロードの終着点とも言われていて、ペルシャや中国などの異国の影響を受けた宝物が多く存在している。とくに、染織品に描かれている模様は「正倉院模様」と呼ばれており、いまなお着物など礼服のモチーフとされている。

それにしても、この鹿草木デザインはいま見てもとってもお洒落。木を挟んだ二頭の鹿のデザインは、現代でも十分通用しそう。 

 

鹿を思う気持ちが引き寄せた、鹿デザインの小物たち

鹿デザインの小物を求めていろいろ調べていたら、中川政七商店のサイトにたどり着いた。もともと六本木にある店舗はよく行ってたのだけど、まさかこれほど鹿小物が充実していたなんて…!

shikakusaki としてブランド化されているから面白い。

鹿草木デザインのバック、ハンカチ、小物入れ…どれもめちゃくちゃ可愛いくて最高。個人的にはかなりヒット。

きっとInstagramにも写真載ってるかな、とワクワクしながら検索するも #鹿草木 ではヒットせず…。意外に売れてない?と思うと少し残念な気持ちになる。 

 

遂に出逢ってしまった、麗しき鹿財布

そうこうしていたら、遂に一目惚れする商品と出逢い、早速ポチる。それが、こちらの長財布。

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無数の鹿が、舞い踊っているデザイン…!こんな模様見たことない。上品かつこだわりのあるデザインは、本当に美しい!

さらに、流石は中川政七商店。その素材にもとてもこだわりを持っている。ベースの革は、鹿革でキョン(最小種の鹿)を使用。

 

 

ん……?!

あれ……?!

なんと…っっっ!

 

 

無意識に、神様の使いである鹿の革財布を購入していたことに気づく。涙

鹿は神の使いである、という教えから始まった鹿への探求が、このような結末を迎えるなんて。

一目惚れの勢いとはいえ、購入後に気づく自分の愚かさに愕然。

しかし、惚れ込んでポチってしまったのも事実。これはもう、後戻りは出来ないので、たいせつに使わせていただくことにしよう。そう決めました。

心の葛藤はあるけれど、有り難く頂戴します。

 

そして、今回お世話になった中川政七商店。

その商品発送レベルが高くとても感動したので、一連の流れを写真に纏めておこう。

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ダンボールを開けると、美しい桐の箱。そして嬉しい麻之実油のギフト付き。

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▲なんだか、良さそう!使ってみます。

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▲そして、いよいよ桐の箱をオープンしてご対面。こちらは麻の布に包まれておりました…。徹底されているなあ。

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▲そして、商品の説明書。
漆革に用いる鹿革は、キョンと呼ばれる小型の鹿の革です。キョン弥生時代卑弥呼のもとに中国から献上された高級皮革、との説明が。何だか、恐れ多い…。

遂に、お財布を手にする。とても柔らかく、軽く、美しいデザイン。よく見ると、お財布の底には「入」をモチーフにした刺繍がついている。これは、幸運と金運が入りますようにと言う願掛けの意味があるみたい。こういう粋な計らい。嬉しい限り。

 

 

この数ヶ月の、鹿を巡っての一喜一憂。いろいろあったけれど、お陰さまで鹿にまつわる知識が増えました。

これからは、毎日お財布を見るたびに、卑弥呼の時代や奈良の天平時代や、神の使いである鹿たちのことを想い、感謝することになるのでしょう。

 

楽しみはつづく☺︎